食品を長持ちさせるには適切な温度管理が欠かせません。わずか1、2度の違いだけで数日間も消費期限が変わってきます。基本的には低温のほうが品質を維持しやすいですが、そうすると電気代がかかりやすいので注意しなければなりません。そこで重要になるのは、品質をキープできる最高温度を見極めることです。

たとえば、これまで0度未満に設定していた場合でも、10度で維持できると分かるケースもあるでしょう。その場合、保管庫の大きさもよりますが、年間で数十万円規模のコストカットを実現できる場合があります。人が過ごす空間に関しても同様の考え方が可能です。夏場のエアコン設定を28度にする企業が増えています。

従来は平気で24度ぐらいまで落とす企業が多かったですが、それと比べるとかなりの節約になっているでしょう。冬も同様で、温度を22度程度に保つ企業が多く見受けられます。いずれにせよポイントになるのは、温度管理をしっかり実施することです。電気代を意識してやみくもに温度の設定を変えると、さまざまな弊害が生じてしまいます。

そのリスクを避けるために、通常は保険をかける意味で余裕を持った設定にするのが一般的です。その分だけ無駄なコストが生じても仕方がないという風潮がありました。しかし精度の高い温度管理が可能になり、それが少しずつ変わってきました。余裕を持たせなくても、支障が出ないぎりぎりのラインを維持できるようになりつつあります。